【#Where It Starts】空き家だったアトリエで、和紙を漉くという体験

Rebaseでは「Get Together 和をひろげる」をミッションに掲げ、たくさんの“ことのはじまり”に満ち溢れた世界を目指しています。

「#Where It Starts」は、そんな想いを背景に、場所を通じて和をひろげてきたゲストのストーリーを紐解く企画です。

第10回目となる今回は、かつて住居やアトリエとして使われていた空き家を舞台にした、和紙作家 森田千晶さんによる紙漉きワークショップをご紹介します。今回のワークショップ参加者は、大人5名、子ども3名。夏休みということもあってか、親子2組と賑やかです。
自然素材に触れて、伝統の技をさまざまな世代の方々と体験する時間は、まさに“和をひろげる”ことのはじまりでした。

眠っていた空き家が、レンタルスペースへ

今回の会場は、もともと創作のアトリエとして使われていたスペース。
その役目を終えたのち、友人が使用した後はしばらく空き家として静かに佇んでいましたが、現在はレンタルスペースとして新しく活用されています。

このスペースの持ち主であり、ワークショップを主宰するのは、和紙作家の森田さん。
「和紙は自然と人の手が共に作り出すもの。植物から生まれる紙を通じて、昔の人々が自然と共生し、物を大切にしてきた姿を知ってもらえたら嬉しいです」 その想いを胸に、いよいよ紙漉きの体験が始まりました。

紙漉きワークショップの手順

まずはスペースの裏手にある、原料となる「こうぞ(楮)」の木へ。木肌に触れると、ごつごつとした感触と力強さが伝わってきます。

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こうぞの木ってこんな木なんだ・・!筆者もはじめて知りました。

①煮出した「こうぞ」皮を削ぐ

ナイフを使って木の皮を慎重に削ぐと、白い部分が少しずつ現れてきます。

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少しずつ丁寧に削っていきます。まずは森田さんのお手本。

②ゴミを取り除く

白い部分だけにするため、小さなゴミを一つひとつ手で取り除きます。繊細な作業ですが、この積み重ねが美しい和紙につながります。

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集中してゴミを取り除く

③叩いてほぐす

綿棒で皮をトントンと叩くと、繊維が柔らかくなり、桶の中で解けやすくなります。空間に心地よいリズムが響きます。

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叩く工程はお子さんたちに大人気!

④水の中で漉く

桶に入れた原料を「すげた(簀桁)」ですくい上げると、繊維が水の中でゆらゆらと広がり、重なり合っていきます。何度も漉くことで、やわらかさと強さを併せ持つ一枚の紙がかたちづくられました。

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これが結構重たいんです・・!
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繊維が溜まって紙っぽくなってきました!
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一枚になりました!ここから乾燥します。
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完成した和紙がこちら!

乾かして完成した和紙は、光に透かすと繊維が模様のように浮かび上がります。同じものは二度とできない、自然と手仕事の記録。
コピー用紙の均一さとは正反対の、不揃いで温かみのある質感に、思わず見入ってしまいました。

体験を通して、森田さんがおっしゃる「物を大切にしてきた姿」という言葉の意味を少しずつ実感していきました。

空き家だからこそできること

さて、この場所は、アトリエ → 空き家 → レンタルスペースという変遷を経て、再び人が集う場になりました。
空き家を眠らせておくのではなく、レンタルスペースとして開くことで、こうした体験の舞台となっているのが印象的です。

「空き家 × アート体験」という新しいかたちが、また一つの“はじまり”を生み出しているのだと感じます。

体験を終えて

紙漉きは想像以上に手間と時間がかかる作業でした。けれど、そのひと手間こそが和紙の美しさを支えているのだと気づきます。

場所の力、人の想い、手仕事のリズム。そのすべてが重なり合って、たった一枚の和紙が生まれる。

伝統を受け継ぐ尊さと、新しい場の活用が結びついた、忘れられない体験でした。

おわりに

今回の紙漉きワークショップが行われた場所は、インスタベースに掲載されているレンタルスペースのひとつ。
誰もが気軽に借りられるからこそ、地域の空き家が文化や交流の場として息を吹き返しています。

特別な体験は、特別な場所から。このスペースはどなたでも借りることができます。気になった方はぜひ、こちらから予約してみてください。
あわせて、和紙づくりワークショップに興味がある方は、森田さんのinstagramをのぞいてみてくださいね。

※本記事は、2025年10月1日にinstabase公式noteにて公開した記事を再編集したものです。

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