大阪を中心に数多くの貸し会議室を運営する田中嘉浩氏。

もともと製薬会社に勤めており、転勤で12年ほど前から東京に住んでいるというオーナーです。

今回は、そんな田中氏にスペース運営のきっかけやこだわり、今後の展望についてお話しいただきました。

 

貸し会議室との出会い

ー 貸し会議室を始めたきっかけはなんだったんですか?

昔不動産仲間と一緒に本を書こうとなって、最初は打ち合わせを飲み屋でしていたんです。

会議は盛り上がるし、楽しいので、お酒も進むんですよね。でも、お酒を飲むと盛り上がるんですけど、どうしてもあとになって何を話していたかわからなくなっちゃいまして。

2回目の会議は、飲む前に話そうということになりました。でもそうすると、何も注文しないのにお店で話をすることになります。

だんだん店員さんや他のお客さんの視線を感じるような気さえしていました。

 

そこで、メンバーの1人が「なにやら貸し会議室というものがあるらしいぞ」というので、調べてみると1時間1000円〜2000円くらいだったので、これはちょうど良いな。と思い、予約しました。

当日使うと、20㎡ほどのスペースに机と椅子があるだけのスペースが。「本当にこれで利益あるの?」「どうしてこんなサービスがあるんだろう。」と、すごく気になって興味を持ち始めたのがきっかけです。

 

 

貸し会議室運営の大変だったこと

ー 最初に作った会議室について教えてください。

当時は大阪にこういった事業をしている人がいなかったので「やってやろう」と思い、とにかく物件を探し始めました。

最初はなかなかちょうど良い物件が見つかりませんでした。ちょうど民泊が下火になったことで、物件のオーナーが乗り気じゃないことが多かったですね。

とにかくどんな物件が会議室に良いかもわからずに探してもらっていました。

 

そこで大阪の中心である梅田と難波を結ぶ、御堂筋から1つ東側の大通りである堺筋本町の40㎡の大きな部屋が借りられることになりました。

最初はそれこそ20㎡ほどの小さなところから始めようと思っていただけに、どうしようかと迷いました。

しかし、なかなかお客のつかない部屋だったため、運良く6万という格安で借りられたうえ、3ヶ月はフリーレントで借りられるという好条件。それならばと、始めたのがお気軽会議室1号店です。

 

ー 貸し会議室を始めてから大変だったことはなんですか?

最初はなにもない部屋に何を置いたら良いかもわからなかったことです。会議室に関しては知識がまったく無いところから始めたので。

とにかく机と椅子を置こうと思い、1人でメジャー片手に部屋を図りました。

いざ「机と椅子を購入しよう」とオフィス家具を見ると、結構な額がするんですよね。

うまくいくかわからないのに初期費用を何十万かけるかどうか悩みながら大阪の街を歩いていると、ちょうど中古のオフィス家具のお店が目に入ったんです。

これだ!と思い、さっそくお願いすると、新品の7割、8割の価格でテーブルと椅子などを揃えることができました。

それから無事、貸し会議室を始めることができました。そんなこんなで始めるのに少し苦労したので、最初に来た予約に感動したのを、今もよく覚えています。

 

 

会議室をグループで運営するお気軽会議室

ー どうして「お気軽」会議室なんですか?

そう。よく、「お手軽」と間違えられるんですが、「お気軽会議室」なんです。

名前はそのままの意味で、「気軽に使ってほしい」と思って付けました。

最初は「俺の会議室」とか、「みんなの会議室」みたいなのを考えていたのですが。もうすでにあったので、悩んだ末シンプルに「お気軽会議室」になりました。

欠点は「お手軽」と間違えられるところですね。メンバー内でもややこしくなっています(笑)

 

ー メンバーというと、お気軽会議室は複数の方で運営しているのですか?

1軒目がうまくいったので、会議室を2軒3軒と増やしているなか、「子供に苦労をかけないよう、不動産運用で老後の資金を貯めるのが夢だ。」というシングルマザーの女性と出会いました。

彼女の話を聞いているうちに、不動産の管理より、貸し会議室の運営のほうがずっとリスクが低く、手っ取り早いと思ったので貸し会議室の運営を勧めてみました。

それから彼女の友達や、話を聞きたいと集まってきた方々などで、どんどんお気軽会議室を名乗るオーナーの人数も増えていきました。定期的にノウハウ共有をする勉強会も開催しています。        

 

(勉強会の様子) 

 

 

これからお気軽会議室で叶えたいこと

貸し会議室の運営をしていくなかで目指していることはありますか?

あります。日本全国に友だちを作ることです。

貸し会議室は、びっくりするような新しい利用用途から、今までずっとあったような用途まで、需要は多くあります。むしろ今までこういったサービスが無かったのが不思議なほど。

そしてこの仕事は会議室を運営する人や、それを使う人、その人がセミナーや習いごとの講師であればそのお客さん、生徒さんなど、たくさんの人と接する機会があります。

友だちが多いと、例えば、沖縄などに家族旅行に行ったとき、現地の友達からおすすめのお店を聞いたりできるんです。それが、北海道とか全国各地で。

そして娘があるとき、いつも家で仕事をしている私に「パパはどうしてそんなにいろんな所にたくさんのお友だちがいるの?」って聞くんです。それが夢ですね。

 


今回は貸し会議室にユーザーとして出会い、たくさんの人々に貸し会議室の運営ノウハウを伝えているお気軽会議室 田中嘉浩氏にインタビューしました。
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